2018/09/28 13:11
9月も中旬に入ったことで、京都はうだるような暑さからは解放されました。日が落ちると、少し肌寒く感じるようにもなってきました。
勤労感謝の日。今回は、兵庫県篠山市の里山、丹波立杭焼の里を目指して車を走らせました。山あいの田舎道を走ると、それは突然姿を現します。豊かな清流の斜面に沿って、約50の窯元が軒を連ねています。そのうちの一軒【俊彦窯】にお邪魔してきました。
日本六古窯の一つに数えられる丹波焼は平安時代末期頃から始まったとされています。陶土は鉄分を多く含み、焼くと固くズッシリとした印象を与えます。また、穴窯の特性上、釉薬の発色が弱いという2つの大きな特徴が見られます。前者に対しては、鎬(しのぎ)、面取りという技法をもって軽やかさを演出し、後者に対しては、伝統の白と黒の釉薬により深みを与えることで美しさを見出しました。
話を戻しましょう。傾斜の急な坂道を登り、一番上まで行ったところに俊彦窯はあります。見晴らしがとても良く、山や川、空を近くに感じることができる静かな土地でした。工房をのぞいていると「中に入っておいで」と優しく声をかけていただきました。中に入ると焼成前のうつわがたくさんあり、清水さんは轆轤の前に正座し黙々と作陶しておられました。じっと見られているのも集中できないだろうと思い、工房の中をひと通り見渡してみました。すると、天井の梁にツバメの巣がたくさんあり、清水さんは毎日、工房を開け、土と向き合っているんだなあとその姿を感じることができ、なんだか嬉しくなりました。
それから、奥さんとも話をしながら買い付けをしていると、あっと言う間に時間は過ぎてしまいました。とても有意義な時間を過ごさせていただきました。感謝です。
今回、お邪魔してきました丹波立杭焼。澄んだ清流、鉄分を含んだ土、傾斜地の登り窯など「民藝」と呼ばれる品々は、その土地にある生活環境をカタチにしたものであると、改めて感じることができました。私自身、足を運んで、その目で見て体験したことを皆さんと共有したいと思っております。
次はどこに行きましょう。
また、今回買い付けしてきました商品は近日中に掲載予定です。お楽しみに。