【丹波立杭焼 俊彦窯】2019.04.22

旅の記録【丹波立杭焼 俊彦窯】
2019.4.22
立杭陶の里へ向かい県道292号線を川沿いに走ると立杭焼の窯元さんの工房がポツポツと目に入り出します。その道を半分くらい進み、ちょうど真ん中辺り、横に逸れる小道を入ると急勾配な坂があります。「歩いて登るにはちょっときついなぁ」なんて思いながら、そこをグンと車で登りきったところに俊彦窯さんの工房兼住居はあります。そこからうしろを振り向くと、結構登ってきたなあという達成感にも似た感想と、道の向こう側に生い茂る緑の山々や澄んだ川辺を眺めることができ、作陶に適した場所だということをすぐに理解しました。また、5月も近づき、太陽の日差しはだんだん強くなりつつありましたが、空気が澄んでいるおかげで嫌な暑さを感じることもありませんでした。
と、まずは挨拶。工房と住居の間、普通の家であればちょうど玄関横の応接間に位置した場所に、商品が陳列された販売所が設けられてあります。「こんにちは!」と挨拶をすると、いつものように奥の方からお母さんが出てきてくれて対応をしてくれます。「最近はどうですか?」などの世間話から仕事の話を交えて会話しながら商品の選別をしていきます。
お母さん「今、窯から出してきたところなんですよ」私「ラッキー!」と窯から出てきたばかりの平皿や徳利を見せていただき、今回の買付けも満足のいくものとなりました。
お父さんは今日はどこにおられるのですか?と伺うと「今日は調子が良いから、工房で作業をしてるよ」とのこと。さっそく工房の方にお邪魔させていただくと、蓋物の釉掛け作業をされておられました。図々しく工房の中に入っていくのもお邪魔になるかと思い、扉の前から見学をしているとお父さんが「(中へ)どうぞ」と優しく迎え入れてくださりました。工房の中では息子さんと息子さんの奥さんも作業をされていて、息子さんは壷らしきものを作陶、奥さんは陶土を捏ねておられました。奥さんに「どのくらい捏ねなくてはならないのですか」と聞いてみたところ、「土の中の空気をしっかり抜くためには70回程捏ね続けなければならない。力仕事ですね。」と、ニコッと笑って、それを隣にいたお父さんは誇らしげにまたまたニコッと笑っておられました。家族で役割が分担されていて、その中心にはお父さん(俊彦さん)がいます。それを支える家族の姿も見ていてホッとさせられます。手仕事、人仕事のあたたかさが俊彦窯さんのうつわにはよく現れています。また、手に馴染み、日常に溶け込むうつわづくりの原点を観た気がしました。
そんなこんなで工房見学をしていると、奥さんがコーヒーを淹れてくださりました。もちろん、カップはここで焼かれたもので、鎬(しのぎ)文様のマグカップ。同じくしてお父さんも休憩を。工房の外に出て、私たちの話に耳を傾けてくださりました。工房から見える山々を見て「いつもここから山を眺める。同じ緑でも毎日表情が違うから面白い。」と。それを聞いた時、なんだかハッとさせられました。確かにその通りで、一様に同じ緑でも淡い色、濃い色、緑っぽい青色など、もし、それぞれの色に感情があるとしたら、なんと形容すればよいか。それらを感じ取ることが日常をカタチづくるためには必要なのではないかと感じたのでした。
仕事の邪魔はするまいと思いつつ、いつも長居をしてしまうのですが、帰る時にも最後まで私たちが見えなくなるまでお見送りをしてくれます。次伺えるのはいつだろうなぁなんて考えながら、今日の記憶を書き留めておきます。ああ、いい日だった。いつもそう感じます。

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